項靭帯(こうじんたい)とは?場所・位置や英語などを人体解剖図で解説

解剖学-部位解説

はじめに

本記事では、項靱帯の位置や役割、英語表現や関連する組織、豆知識などを解説しています。

項靱帯は首の後ろに位置し、頸椎を安定させる重要な働きをしており、頚椎症などの予防や日常生活での動きに関わります。項靱帯の知識を学ぶことで、身体への理解を深め、適切な動きを身につけることができます。本記事を、身体への理解を深めるために役立ててください。

項靭帯(こうじんたい)に関する動画の視聴はこちらから

項靭帯とは

項靱帯とは、首の後ろにある硬い筋のようなもので、頸椎(首の骨)を安定させる役割を果たしています。人間の体内には多数の靭帯がありますが、特に頸部に位置する項靱帯は、首の動きをスムーズにし、ぐらつきを防ぎます。

項靱帯の読み方

項靱帯は「こうじんたい」と読みます。

項靱帯の特徴

項靱帯は、頸の骨の後ろに存在する3つの靭帯のうちの一つです。ほかには棘上靱帯と棘間靱帯があります。これら3つの靭帯は、骨と骨の間を繋ぎ、首の動きを安定させています。

項靭帯の場所・位置

項靱帯は首の後ろに位置しており、人体解剖図を見ると、白い筋のような形でまっすぐに走っています。頚椎が7つ並ぶ中で、後ろにある突起が項靱帯の重要な構造です。上端は頭蓋骨の外後頭隆起に、下端は第7頸椎の棘突起に固定されています。

項靭帯の覚え方

項靱帯を覚える際には、以下のポイントを押さえてみてください。

• 位置は首の後ろ

• 骨と骨を繋ぐ靱帯の一つ

• 首の動きを安定させる役割がある

項靭帯の英語・ラテン語

英語表現は「Nuchal ligament」、ラテン語表現は「Ligamentum Nuchae」です。

項靭帯の豆知識

面白い豆知識として、人間とキリンの頸の骨は同じ7つであるということです。人間は恐竜などの名残を骨に残しており、頚椎の骨というものの後ろには、背びれのような突起の形をしています。この突起部分が、項靱帯という重要な構造に関与しているのです。

さらに、項靱帯は肘や膝にある靭帯と同様の役割を果たしており、首を曲げるときに、曲がりすぎないようにストッパーの役割を果たしています。首は項靱帯をはじめとする三つの靭帯によって強固に守られており、日常生活においても重要な働きをしているのです。

また、項靱帯は、人間の他にもウマやウシなどの側頸動物にも存在します。草食動物は、頭を地面に向けて長時間草を食べるため、首の位置を維持するために項靱帯が発達しています。項靱帯が発達していることで、筋肉に無駄なエネルギーを使わず、安定させることができます。

項靱帯に関連する組織:脊椎の特徴

項靱帯(nuchal ligament)は首の後ろ側に位置し、頭の重さを支えることで首の筋肉の疲労を軽減する役割があります。項靱帯は、首の脊椎(主に第1-第7頚椎)へと続いています。これらの椎骨には重要な筋肉がついており、首の動きをサポートし、支持します。

脊椎は、背骨または脊柱とも呼ばれ、頭蓋骨と仙骨の間に位置しています。それは、33から34の椎骨で構成され、5つの部分に分けられています。これらは頚椎(首)、胸椎(胸部)、腰椎(腰部)、仙椎(仙骨部分)および尾椎(尾骨部分)です。

各椎骨は、弾力性のある椎間盤を介して連結されており、脊椎全体の柔軟性と安定性を提供します。また、椎骨は神経根に圧迫を与えることなく、脊髄を通る大きな管、いわゆる椎管を形成しています。

項靱帯に関連する組織:脊椎の豆知識

– 4本足の哺乳類は、項靱帯のおかげで顔を水平に保てます。ヒトは首の筋肉がしっかり発達しています。
– キリンの頚椎は人間と同じく7つですが、それぞれの椎骨が非常に長いです。
– 加齢とともに頚椎は摩耗し、項靱帯の役割が重要になることがあります。
– 椎骨の変形や慢性的な緊張は、頚椎症を引き起こすことがあります。

項靱帯のクイズ

Q: 項靱帯は、頸の骨の後ろに存在する三つの靭帯のうちの一つですが、他の二つの靭帯の名前は何ですか?
A: 棘上靱帯と棘間靱帯

まとめ

今回は「項靭帯」の場所・位置や覚え方、英語・ラテン語表記を解説しました。

いかがでしたでしょうか?

この記事を読んで解剖学への理解が深まったら嬉しいです。

学習は終わりがない長い道のりですが、皆さんの成功を心から祈っています。これからも一緒に学び、国家試験に向けて励みましょう!

ぜひ、次回のブログもお楽しみに。

解剖学アプリ「teamLabBody Pro」でもっと詳しく!

teamLabBody Proは人体の筋肉、臓器、神経、骨関節など全身を網羅した「3D人体解剖学アプリ」です。

複数の被験者のデータを元にCT・MRIデータから人体を忠実に再現。医師監修の医学書レベル内容をあらゆる角度から自由自在に俯瞰できるため、患者様への手術説明や学生の解剖学の勉強など様々な医療シーンに活用可能です。

今回紹介した部位をもっと詳しく見たい方は、ぜひ解剖学アプリ「teamLabBody Pro」をダウンロードしてみてください。

■チームラボボディPro 無料ダウンロード

チームラボボディプロ 人体の全てがわかる解剖学アプリの決定版
世界初!MRI画像を用いて生きた人間の動きを再現した3D人体解剖アプリ。菅本医師の監修の医学アプリです。
タイトルとURLをコピーしました