全身の内臓と器官 一覧(部位別・英語名・位置とはたらき)
内臓は胸腔(心臓・肺)、腹腔(胃・腸・肝臓・膵臓・脾臓・腎臓)、骨盤腔(膀胱・直腸・生殖器)の3つの体腔に収まり、胸腔と腹腔は横隔膜で仕切られています。消化管は口から肛門まで約9mの1本の管で、そこに肝臓・膵臓などの付属腺がつながります。
このページでは頭頸部(脳・感覚器・咽頭・喉頭)、胸部、腹部、骨盤、体表の順に主な器官をまとめました。名前を押すと個別記事へ、各記事からはアプリの3Dモデルで位置関係を確認できます。
基本データ
- 3つの体腔
- 胸腔(心臓・肺・食道・胸腺)、腹腔(胃・小腸・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓)、骨盤腔(膀胱・直腸・子宮/前立腺)。胸腔と腹腔の境が横隔膜
- 消化管の長さ
- 口から肛門まで約9m。小腸が約6〜7m(十二指腸25cm・空腸2/5・回腸3/5)、大腸が約1.5m
- 最大の臓器
- 皮膚(成人で約1.6〜1.8㎡、体重の約16%)。内臓では肝臓(約1.2〜1.5kg)
- 大腸の区分
- 盲腸 → 上行結腸 → 横行結腸 → 下行結腸 → S状結腸 → 直腸 → 肛門管。結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂が小腸との見分け方
- 咽頭の3区分
- 鼻咽頭(鼻の奥、耳管が開く)、口咽頭(口の奥、口蓋扁桃)、喉頭咽頭(喉頭の後ろ、食道へ続く)。空気と食物の交差点
- 喉頭の軟骨
- 甲状軟骨(のどぼとけ)・輪状軟骨・喉頭蓋軟骨が各1、披裂軟骨が1対。声帯は甲状軟骨と披裂軟骨の間に張る
- 腹膜との関係
- 腹膜内臓器(胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝・脾)と後腹膜臓器(十二指腸・膵・腎・上行/下行結腸)に分ける。手術のアプローチが変わる
部位別の一覧
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頭頸部(脳・感覚器・咽頭・喉頭)
頭蓋腔の脳と、鼻・口から続く咽頭、気道の入口である喉頭。食物と空気の通り道が咽頭で交差し、嚥下のときは喉頭蓋が気道にふたをします。
| 名称 | 英語 | 系統 | 位置・はたらき |
|---|---|---|---|
| 大脳 | Cerebrum | 神経系 | 左右の半球。前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉。運動・感覚・言語・思考の中枢 |
| 小脳 | Cerebellum | 神経系 | 後頭蓋窩にあり、脳幹の後ろ。運動の協調と平衡、姿勢の調節 |
| 小脳半球 | Cerebellar hemisphere | 神経系 | 小脳の左右の膨らみ。虫部をはさんで対をなし、四肢の精密な運動を調整 |
| 脳幹 | Brainstem | 神経系 | 中脳・橋・延髄。呼吸・循環の中枢と脳神経の核。大脳と脊髄をつなぐ |
| 眼球 | Eyeball | 感覚器 | 眼窩に収まる直径約24mmの球。角膜・水晶体で光を集め、網膜で受容 |
| 耳 | Ear | 感覚器 | 外耳(耳介・外耳道)・中耳(鼓膜・耳小骨・耳管)・内耳(蝸牛・前庭・半規管) |
| 鼻腔 | Nasal cavity | 呼吸器 | 鼻中隔で左右に分かれ、上・中・下鼻甲介が表面積を広げる。嗅上皮は天井部 |
| 口腔 | Oral cavity | 消化器 | 歯・舌・口蓋。咀嚼と唾液による消化の開始。舌は味覚と構音 |
| 咽頭 | Pharynx | 消化器・呼吸器 | 頭蓋底から第6頸椎の高さまで約12cmの筋性の管。鼻咽頭・口咽頭・喉頭咽頭 |
| 鼻咽頭(上咽頭) | Nasopharynx | 呼吸器 | 咽頭の最上部。耳管咽頭口とアデノイド(咽頭扁桃)がある |
| 喉頭 | Larynx | 呼吸器 | 第3〜6頸椎の高さ。気道の入口で、発声器官。甲状軟骨・輪状軟骨・喉頭蓋軟骨・披裂軟骨 |
| 輪状声帯膜(弾性円錐) | Conus elasticus | 呼吸器 | 輪状軟骨の上縁から立ち上がる弾性膜。上縁が声帯靱帯になる |
| 甲状腺 | Thyroid gland | 内分泌 | 喉頭の下、気管の前面に蝶形。甲状腺ホルモンで代謝を調節。背面に上皮小体 |
胸部
胸腔は左右の肺と、その間の縦隔(心臓・大血管・気管・食道・胸腺)からなります。横隔膜が下方を閉じ、収縮して下がることで吸気が起こります。
| 名称 | 英語 | 系統 | 位置・はたらき |
|---|---|---|---|
| 心臓 | Heart | 循環器 | 縦隔の中央やや左、握りこぶし大(約250〜300g)。右心房・右心室・左心房・左心室。1日約10万回拍動 |
| 肺 | Lungs | 呼吸器 | 右肺3葉・左肺2葉。肺胞約3億個でガス交換。表面積はテニスコート半面ほど |
| 気管・気管支 | Trachea and bronchi | 呼吸器 | 喉頭から約10〜12cm下り、第4〜5胸椎の高さで左右の主気管支に分かれる。右のほうが太く急 |
| 食道 | Esophagus | 消化器 | 咽頭から胃まで約25cm。3つの生理的狭窄部(起始部・気管分岐部・横隔膜貫通部) |
| 胸腺 | Thymus | 免疫 | 胸骨の裏、心臓の前上方。T細胞を成熟させる。思春期以降は脂肪に置き換わる |
| 横隔膜 | Diaphragm | 呼吸筋 | 胸腔と腹腔を隔てるドーム状の筋。大動脈裂孔・食道裂孔・大静脈孔を貫く。横隔神経支配 |
腹部
胃から始まる消化管と、消化を助ける肝臓・胆嚢・膵臓、血液をろ過する脾臓と腎臓。空腸と回腸は腸間膜で吊るされて動き、十二指腸と膵臓は後腹壁に固定されています。
| 名称 | 英語 | 系統 | 位置・はたらき |
|---|---|---|---|
| 胃 | Stomach | 消化器 | 左上腹部。噴門・胃底・胃体・幽門。容量約1.5L。胃酸とペプシンでタンパク質の消化開始 |
| 十二指腸 | Duodenum | 消化器 | 約25cm、C字形に膵頭を抱く。大十二指腸乳頭に総胆管と膵管が開く。後腹膜 |
| 空腸 | Jejunum | 消化器 | 小腸の前半2/5。左上腹部に多い。壁が厚く輪状ヒダが発達、栄養吸収の主役 |
| 回腸 | Ileum | 消化器 | 小腸の後半3/5。右下腹部で盲腸につながる。パイエル板(リンパ小節)が多い。ビタミンB12を吸収 |
| 盲腸・虫垂 | Cecum and appendix | 消化器 | 右下腹部、回盲弁の下。虫垂はマックバーニー点の深部。虫垂炎の部位 |
| 上行結腸・横行結腸 | Ascending and transverse colon | 消化器 | 右側を上行し肝弯曲で左へ。横行結腸は腸間膜をもち位置が動く |
| 下行結腸 | Descending colon | 消化器 | 脾弯曲から左側腹部を下り、腸骨稜の高さでS状結腸へ。後腹膜に固定 |
| S状結腸 | Sigmoid colon | 消化器 | 左下腹部でS字に曲がり、第3仙椎の高さで直腸に続く。憩室や大腸がんの好発部位 |
| 肝臓 | Liver | 消化器・代謝 | 右上腹部、横隔膜の直下。約1.2〜1.5kgで最大の内臓。代謝・解毒・胆汁産生・貯蔵 |
| 胆嚢 | Gallbladder | 消化器 | 肝臓の下面に付く洋ナシ形の袋(約50mL)。胆汁を濃縮して蓄え、食後に十二指腸へ |
| 膵臓 | Pancreas | 消化器・内分泌 | 胃の後ろで第1〜2腰椎の高さに横たわる。膵液(外分泌)とインスリン(内分泌) |
| 脾臓 | Spleen | 免疫・循環 | 左上腹部、第9〜11肋骨の内側。古い赤血球の処理と免疫。握りこぶし大 |
| 腎臓 | Kidneys | 泌尿器 | 第12胸椎〜第3腰椎の高さの後腹膜。右は肝臓に押されてやや低い。1日約180Lをろ過 |
| 副腎 | Adrenal glands | 内分泌 | 腎臓の上に乗る。皮質(コルチゾール・アルドステロン)と髄質(アドレナリン) |
骨盤・生殖器
骨盤腔には膀胱と直腸、その間に女性では子宮と腟、男性では前立腺と精嚢が収まります。腹膜は骨盤臓器の上面をおおい、女性ではダグラス窩が腹腔の最も低い部分です。
| 名称 | 英語 | 系統 | 位置・はたらき |
|---|---|---|---|
| 膀胱 | Urinary bladder | 泌尿器 | 恥骨結合の後ろ。容量約300〜500mLで尿意。排尿筋は副交感神経支配 |
| 直腸 | Rectum | 消化器 | 第3仙椎から仙骨・尾骨の前面を下る約15cm。直腸膨大部に便をためる |
| 肛門管 | Anal canal | 消化器 | 直腸の最後の約3〜4cm。内肛門括約筋(不随意)と外肛門括約筋(随意) |
| 子宮・卵巣・卵管 | Uterus, ovaries and uterine tubes | 生殖器(女性) | 子宮は膀胱と直腸の間で前傾前屈。卵管采が卵巣から卵子を受け取る |
| 腟 | Vagina | 生殖器(女性) | 子宮頸部から腟前庭まで約8cm。尿道の後ろ、直腸の前 |
| 大陰唇・小陰唇・陰核包皮・前庭 | Labia majora and minora, prepuce of clitoris, vestibule | 生殖器(女性) | 外陰部をつくる構造。前庭に尿道口と腟口が開く |
| 前立腺・精嚢 | Prostate and seminal vesicles | 生殖器(男性) | 膀胱の直下で尿道を取り囲む。精液の液体成分を分泌。直腸診で触れる |
| 精巣・精巣上体 | Testis and epididymis | 生殖器(男性) | 陰嚢内。精子形成とテストステロン分泌。精巣上体で精子が成熟 |
| 陰茎亀頭・陰茎・陰嚢 | Glans penis, penis and scrotum | 生殖器(男性) | 陰茎は左右の陰茎海綿体と尿道海綿体。陰嚢は精巣を体温より約2℃低く保つ |
体表(皮膚)
皮膚は体表をおおう最大の器官で、外界からの保護、体温調節、感覚、ビタミンD合成を担います。
| 名称 | 英語 | 系統 | 位置・はたらき |
|---|---|---|---|
| 皮膚 | Skin | 外皮系 | 表皮・真皮・皮下組織の3層。成人で約1.6〜1.8㎡。汗腺・脂腺・毛・爪を含む |
| 表皮 | Epidermis | 外皮系 | 重層扁平上皮。基底層で生まれた細胞が約4週間で角質となってはがれる。メラノサイトを含む |
| 真皮 | Dermis | 外皮系 | 膠原線維と弾性線維。血管・神経・感覚受容器(マイスネル小体・パチニ小体)・汗腺・脂腺 |
| 皮下組織 | Subcutaneous tissue (hypodermis) | 外皮系 | 脂肪組織が主体。断熱・衝撃吸収・エネルギー貯蔵。皮下注射の部位 |
この系統の解説記事一覧
頭頸部(脳・感覚器・咽頭・喉頭)
胸部
腹部
骨盤・生殖器
体表(皮膚)
よくある質問
内臓はどこにいくつありますか?
胸腔に心臓・肺、腹腔に胃・小腸・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓(2つ)・副腎(2つ)、骨盤腔に膀胱・直腸・生殖器があります。「内臓」の数え方に決まりはなく、肺を1つと数えるか2つと数えるかでも変わります。
小腸と大腸はどう見分けますか?
大腸には結腸ヒモ(縦に走る3本の筋の帯)、結腸膨起(ふくらみ)、腹膜垂(脂肪の房)があり、小腸にはありません。太さも大腸のほうが太く、小腸は内面に輪状ヒダがあります。
咽頭と喉頭の違いは?
咽頭(いんとう)は鼻と口の奥から食道へ続く管で、空気と食物の両方が通ります。喉頭(こうとう)は咽頭の前方にある気道の入口で、声帯があり発声を担います。飲み込むときは喉頭蓋が喉頭をふさいで、食物が気道に入らないようにします。
肝臓はどこにありますか?
右上腹部、横隔膜のすぐ下で、右の肋骨に守られています。健康な状態では肋骨弓の下縁からわずかに触れる程度です。重さは約1.2〜1.5kgで、体内で最大の内臓です。
後腹膜臓器とは何ですか?
腹膜の後ろ(背中側)に固定されていて、腹腔内で自由に動かない臓器です。十二指腸(球部以外)・膵臓・腎臓・副腎・尿管・上行結腸・下行結腸・腹大動脈・下大静脈が該当します。腹膜内の胃や空腸・回腸とは手術のアプローチが異なります。
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